棄捐令


テレビのニュースでは「返済猶予法案」で盛り上がっています。与党が強行採決したようです。

この「中小企業金融円滑化法案」ですが、平成の徳政令(借金棒引き令)などと呼ばれていました。そこで...借金棒引きではなく「返済猶予」であると強調しているようです。

そもそも「徳政令」というのは鎌倉・室町時代の借金棒引き令で、江戸時代には「棄捐令(きえんれい)」が2回発令されています。寛政元年の寛政の改革で棄捐令が、天保14年の天保の改革で無利子年賦返済令が発令されています。

「無利子年賦返済令」は借金棒引きとまでは言っていませんが、無利子、20年返済ですので実質は借金をチャラにするというものでした。

さて返済猶予ということの実際ですが、猶予している期間中は金融機関は収入が得られないということです。その間の損失に耐えられなければ経営難から金融機関が破綻してしまうわけです。実際に「棄捐令」が発令されたときには、経営難から廃業に追い込まれた札差もいたということです。そこで...金融機関に強制的に返済を猶予させるのではなく、2011年3月までの時限措置としての努力義務となったようです。

気をつけなければいけないことは...棄捐令では札差たちによる貸し渋りが起こり借り手が窮乏したということです。

日本の中小企業は、金融機関から融資を受けて資金繰りをを良くしないと運転資金がありません。普通に考えて...返済を猶予した中小企業に対して新規に貸付を行う金融機関があるのでしょうか。はなはだ疑問です。大丈夫でしょうか。

今日は歴史?の話題でした。